令和5（2023）年分 申告所得税標本調査（国税庁発表）

－申告納税者数668万人､前年比15万人増加－

◇ この度､国税庁より｢令和5（2023）年分 申告所得税標本調査結果｣が公表されました｡調査の対象は、令和5(2023)年分の所得税及び復興特別所得税について、令和6(2024)年3月31日までに申告又は処理した者のうち、令和6(2024)年6月30日現在において申告納税額がある者全てです。
　概要は次の通りです｡

１．申告納税者数､所得金額及び税額の概要
　令和5（2023）年分の申告納税者数は668万人､所得金額は49兆8,407億円､税額は7兆1,932億円となっています｡

（１） 所得者区分別の構成割合
① ｢給与所得者｣の申告納税者数は全体の41.5％､所得金額は41.8％､税額は44.8％
② ｢事業所得者｣の申告納税者数は全体の24.9％､所得金額は16.1％､税額は14.4％
③ ｢不動産所得者｣の申告納税者数は全体の15.8％､所得金額は11.6％､税額は9.9％
④ ｢雑所得者｣の申告納税者数は全体の12.4％､所得金額は4.6％､税額は2.0％
⑤ ｢他の区分に該当しない所得者｣の申告納税者数は全体の5.5％､所得金額は25.9％､税額は29.0％
※税額の構成割合は、納付する税額のうち源泉徴収で納付する割合

（２） 所得階級別の構成割合
① ｢100万円以下｣の申告納税者数は全体の5.2％､所得金額は0.6％､税額は0.0％
② ｢100万円超200万円以下｣の申告納税者数は全体の19.9％､所得金額は4.1％､税額は0.6％
③ ｢200万円超300万円以下｣の申告納税者数は全体の19.1％､所得金額は6.3％､税額は1.2％
④ ｢300万円超500万円以下｣の申告納税者数は全体の22.7％､所得金額は11.8％､税額は3.2％
⑤ ｢500万円超1千万円以下｣の申告納税者数は全体の18.7％､所得金額は17.4％､税額は9.6％
⑥ ｢1千万円超2千万円以下｣の申告納税者数は全体の8.9％､所得金額は16.5％､税額は17.2％
⑦ ｢2千万円超5千万円以下｣の申告納税者数は全体の4.3％､所得金額は16.9％､税額は26.3％
⑧ ｢5千万円超1億円以下｣の申告納税者数は全体の0.8％､所得金額は7.7％､税額は13.8％
⑨ ｢1億円超｣の申告納税者数は全体の0.4％､所得金額は18.8％､税額は28.1％

２．申告納税者数
　令和5（2023）年分の申告納税者数は668万人で､前年比15万人（2.3％）の増加となっています｡
　所得者区分別では､｢事業所得者｣は166万人､｢不動産所得者｣は105万人､｢給与所得者｣は277万人､｢雑所得者｣は83万人､｢他の区分に該当しない所得者｣は37万人となっています｡

３．所得金額
　令和5（2023）年分の所得金額は49兆8,407億円で､前年比3兆4,888億円（7.5％）の増加となっています｡
　所得者区分別では､｢事業所得者｣は8兆434億円､｢不動産所得者｣は5兆7,656億円､｢給与所得者｣は20兆8,342億円､｢雑所得者｣は2兆2,724億円､｢他の区分に該当しない所得者｣は12兆9,251億円となっています｡

４．税 額
　令和5（2023）年分の税額は7兆1,932億円で､前年比5,552億円（8.4％）の増加となっています｡
　税額の内訳は､源泉徴収税額は3兆1,372億円で､前年比1,832億円（6.2％）増加､申告納税額は4兆560億円で､前年比3,720億円（10.1％）増加となっています｡

５．平均所得金額及び平均税額
　令和5（2023）年分の申告納税者1人当たりの平均所得金額は746万円で､前年比36.0万円（5.1％）の増加となっています｡
　平均所得金額の所得者区分別では､｢事業所得者｣は483万円､｢不動産所得者｣は547万円､｢給与所得者｣は752万円､｢雑所得者｣は275万円､｢他の区分に該当しない所得者｣は3,496万円となっています｡
　申告納税者1人当たりの平均税額は107.6万円で､前年比6万円（5.9％）増加となっています｡
　平均税額の所得者区分別では､｢事業所得者｣は62.1万円､｢不動産所得者｣は67.6万円､｢給与所得者｣は116.2万円､｢雑所得者｣は17.2万円､｢他の区分に該当しない所得者｣は564.0万円となっています｡